秋月電子製の日立H8/300Hマイコンボード「AKI-H8」を使って、教育用の実験環境を構築してみました。以下に実験システムで構築した環境の簡単な解説を載せます。
■解説■
AKI-H8で使われている日立H8/300Hシリーズ、H8/3840F
CPUは、大容量のフラッシュを始め、シリアル入出力やAD/DAコンバータ等の各種周辺機能を1チップに集積している事で有名です。
しかし、CPU自体のアーキテクチャは32ビットの汎用レジスタが8本で、いずれもインデックス・レジスタとしても利用可能というシンプルで使いやすそうな内部構成となっています。
これは、マイコン開発環境の入門に最適ではないかと考え、今回「AKI-H8」の非常にわずかなRAM領域で動作する、簡単なシリアル入力プログラムを作成しました。日立のページから無料で利用できる、サンプル・モニタプログラムVer.
2.1Cと組み合わせる事により、マイコンやアセンブラの初心者の方のためのクロス開発環境とダウンロード、デバッガの使い方等の勉強になると思い、公開します。
この開発環境では、やはり秋月電子から販売されている「Cコンパイラ」と、gigoさん作成の「Cstart07」スタートアップ・ルーチン、Cサポートライブラリ、モニタプログラム導入環境に全面的に依存しておりますので、実験される方はそれぞれを独自に準備する必要があります。
★必要なモノのまとめ)
1. AKI-H8開発キット(秋月電子製、M/B付、キット品なので各自で組み上げておく必要がある)
2. AKI-H8マイコン・ボード用電源(15V〜19V、秋月電子で入手可能)
3. LCDディスプレイ(必要ではありませんがあれば便利、秋月電子で入手可能)
4. AKI-H8マイコン・ボード用Cコンパイラ(秋月電子で入手可能)
5. 開発ホストとなる、Windows95 or 98マシン(シリアルポートが利用できるDOS/V機)
6. 25ピン(オス)-9ピン(メス) ストレート・ケーブル
(モデムに付属のケーブルで代用可能)
7. 9ピン(オス)-9ピン(メス) ストレート・ケーブル
8. gigoさんのページからダウンロードした、「Cstart07」「n2i105h8.zip」
9. 日立のページからダウンロードした、「サンプル・モニタプログラムVer.
2.1C」
10. シリアル入出力サンプル・プログラム(これは必ずしも必要ではありません)、上記1から8を揃えて、無事に環境を構築できた方は、むしろご自分でテスト・プログラムを作られた方がいいでしょう。
★環境構築の際のご注意)
ここで公開しているシリアル入出力サンプル・プログラムを動作させるためには、AKI-H8マイコン・ボードに同梱のM/B(マザーボード)に、若干の細工をする必要があります。細工の内容は
「マザーボードに付いている9ピンDサブコネクタにH8のシリアル(SCI0)を結線する事」
です。付属の回路図を見ながら、マザーボードのパターンを追うと、どうぞ結線して下さいというようにプリント・パターンが引かれています。この説明でわからない方は、製作をあきらめましょう。
「Cstart07」「n2i105h8.zip」は、旧バージョンの日立モニタプログラムに対応しているため、バッチファイルのコンパイル、リンク部分を手作業で変更する必要があります。
「n2i105h8.zip」は、もともとGPSデータ変換ソフト構築用環境です。これのGPSデータ変換ソフト作成部分は今回は使いません。しかし、
日立のサンプル・モニタプログラムを動作させるために、1箇所ソースにCRCチェックを無効にするパッチを、プログラムで当てる必要がありあます。この部分は非常に重要です。
★その他)
ここで解説しています環境は、秋月電子AKI-H8開発キットと、日立のサンプル・モニタプログラムと、gigoさん作成の「Cstart07」プログラムの応用事例です。当サイトでの解説に関係するトラブル、ご質問、ご意見につきましては、くれぐれも秋月電子、日立製作所、gigoさんへはお問い合わせされないように、お願い致します。
gigoさん作成の「Cstart」の最新版は日立モニタプログラムVer.
2.1Cに対応して「Cstart08」で、それに対応したモニタ構築環境は「n2i106h8.zip」のようですが、残念ながらまだ評価していません。 |