ESEC 2010 (組込みシステム開発技術展)
5月12日から3日間、例年通り東京ビッグサイトで行われる、ESEC 2010(組込みシステム開発技術展)に出展する。多方面で社内開発が遅れている事もあり、あまり注目するような展示はできないのだが、トピックスをいくつか紹介する。
1.組込みLinuxボード開発キット2種のキャンペーン販売
2.Cogent社OPC DataHubのEmdeddedd Tool KitのEddy上でのデモ
3.TINYCLR.COM 提携製品(FEZ Miniロボットキット)のデモ(写真)
4.EnOceanエナジーハーベスト開発キットのデモ
今回は、自社製品のデモは少なく、提携先の製品に頼った展示である。しかしやっと一昨日、Eddyユニバーサルボード(新製品)に搭載した、E!Kit-CAM-TTLのV4L2(Video For Linux2)で画像が撮れるようになったので、オマケでこれも展示する。名刺の4分の1の大きさのEddy CPUボードに搭載するAT91SAM9260のISI(Image Sensor Interface)を利用して、CMOSイメージセンサをCPUに直結して駆動する。
世の中では、メーカ製の開発キットを除いて、意外とこの様な事例やサンプル・ソースコードが少ない様子で、検索しても出てくるのは、CMOSイメージセンサを繋いだ人はいないか?という質問が多い。実はE!Kit-CAM-TTLは、CQ出版のBlanca上のCFコネクタにピン配列を合わせていて、すでにXilinx Spaltan3での動作回路は公開済みだが、これが動くと、オプションCPUカード/ARM9(AT91SAM9XE)Linux対応版 経由でも動作する事が可能になる。暫く品切れだった様子だが、丁度在庫が復活した様子である。いずれは記事で紹介する事になるのだろうか。
1.組込みLinuxボード開発キットのキャンペーン販売
前述の去年提携した、韓国SystemBase社の組込みLinuxボードの開発キットの割引販売を今年も行う。前述のAT91SAM9260を搭載したLinux組込み済CPUモジュールの開発キットの在庫数限定の、50%~40%程度の割引販売である。開発キットの利点は、豊富なIOとそれらを利用したサンプル・ソースコードが多数着いた、Eclipseベースの開発環境が付いてくる事だ。去年紹介した、リアルタイムLinuxの機能も見逃せない。
2.Cogent社OPC Data HubのEmdedded Tool KitのEddy上でのデモ
元LANTRONIX副社長の山崎氏の紹介により、Cogent社OPC Data HubのEmdedded Tool Kitを急遽Eddy DK2.1に移植した。ソースコードの筋が良いので、簡単に移植が出来、安定して動作している。OPCはFA用途等でのデータ通信の有力な標準の一つ。OPC DataHubは、カナダのCogent社のソフトウェア製品。後述のEnOceanエナジーハーベスト等と接続させれば面白いと思う。
3.TINYCLR.COM 提携製品のデモ
4月末に、US GHI Electronics社と提携して、彼らのホビースト向けの.NET Micro Framework専用の販売サイト、TINYCLR.COMの日本語版サイトTINYCLR.JPを立ち上げた。
今回の提携では、特にESECを意識していなかったのだが、時期的に丁度間に合ったので、FEZシリーズを展示する。FEZシリーズの投入で、組込みシステム開発の敷居が一挙に下がると期待している。ただし、結構元々のドキュメントは簡素で、わかり難い面もあるので、今後はフォローして行きたい。会場では、Arduinoピン互換のFEZ Dominoや、BASIC Stamp-2ピン互換のFEZ Miniも展示するが、FEZ Miniのロボットキットを動かすので、興味がある方は期待して欲しい。
4.EnOceanエナジーハーベスト開発キットのデモ
これもたまたま4月に決まった提携先。弊社では慶應義塾大学の武藤研究室に協力しているが、弊社のコンサルタントでもある武藤教授の紹介である。詳しくは、EnOcean 開発キットDolphinモジュール開発キットで解説している。すでにEnOceanのドイツを始めとする海外では、このような身の回りでエコロジーを実現する技術を積極的に取り入れ始めている。京都議定書やプリウスの発売以来、日本では省エネルギー技術が世界と比べて特別に進んでいるような誤解があるが、実態はそれほどでもない。EnOceanの技術はチップレベルから、省エネルギー製品を具体化している点がすごい。
とにかく、2010年5月12日からの3日間は、東京ビッグサイト 東6ホール No.26-18 にいますので、ご来場をお願いします。
- Atomu Hidakaさんのブログ
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ESEC 2010にて
ESECの弊社ブースにご来場頂いた皆さま、ありがとうございます。今後ともよろしくお願い致します。
以下、当日の様子を振り返ってみる。
初日、二日目と不調だったFEZ Mini ロボット・キットも、会場にて見事に復活し、最終日には新プログラムをその場でロードして動き回っていた。予定外だがこのため、一部のお客様にはVC# 2008での開発からビルド、ダウンロードまでの手順をデモすることになったが、かえってそれが好評だった様子だ。しかし、意外だった事は、うちのブースを訪れる皆さんのうちの多くが(とは言っても3分の1ぐらいかも)、.NET Micro Frameworkを知っていた事である。TINYCLR.Jpも先日オープンしたばかりで、実機はあまり日本では使われていないはずなので、実機をもっと流行らせないという使命感を感じた。折しも金曜日は、学研のJapanino の発売日。 Japaninoで物足りなくなったユーザのステップアップに貢献できることを期待している。今後の「大人の科学」にどんなシールドが付くのか不明だが、Arduino 互換のFEZ Domino(ARM7 72MHz)は、IO 5Vトレーラントなので、多くの場合は流用できる点が良いと思っている。
FEZ Mini Robot Kitで遊んでみた
FEZ Mini ロボットキットのニコニコ動画での投稿を紹介。
http://www.nicovideo.jp/watch/sm10775381
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