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BLOG-ROMMER 日高のブログ

MBR2GPT を歴史から考察

MBR2GPTを使いこなす の記事に続いて、MBR2GPT ネタである。

意外と知られていないことであるが、サポート問題を置いておけば、先日も指摘 の様に Windows 11 を新規インストールして使用するための物理的なインストール要件、つまり物理的な障害は、以下の2つである。

1.UEFI モードでWindows が起動し、セキュアブート対応
2.TPM(1.2または 2.0)が稼働

メモリー容量とマルチプロセッサー要件は必須であるし、UEFIブート機能が無いBIOSのPCと、TPM非搭載か、または物理TPMソケットが無い機種は残念ながら Windows 11 インストール対象外である。

TPM 1.2搭載か、またはTPMソケット搭載機種には Windows 11 を新規インストール可能だ。以前ここの記事で書いたが、その後同じくゲタ作成手法やTPM 調達により、手持ち全てのTPMソケット環境(と言っても6台だが)に、 TPM を実装、認識させて、Windows 11 をインストールさせることが出来ている。 知らない人がものすごく多いが、CPU要件は関係無い。

ここで重要なことは、セキュアブートに必須なUEFI モードでWindows を起動するためには、Cドライブのディスクのパーティション管理がGPTである必要がある点だ。

Windows が使用可能なパーティション形式は、1982年の PC-DOSで導入されたMBR(Master Boot Record)形式と、2005年にWindows XP x64で導入のGPT(Guid Partition Table)形式の2種類である。

GPT形式の利用にはBIOSの対応が必要で、次の様な多大なメリットがある。

1. 使用可能なドライブ容量が拡大

MBR形式では最大2TBまでの容量サポートであるが、GPT形式では理論的には**最大18エクサバイト(約18,000ペタバイト)**までの大容量に対応可能。具体例として、3TBや4TB以上のディスクを使用する際、GPTに移行することで全容量を利用可能だ。

2. 128個までのパーティションサポート

MBR形式では1ディスクにつき最大4つのプライマリパーティションの作成制限(拡張パーティションを利用しない場合)。一方、GPTでは理論的に128個までパーティションを作成可能だ。それによりディスク管理が柔軟になる。例えば、1台のディスクで複数のデータ分類やシステム設定を行う際に利便性が高い。

3. ブートの信頼性向上(UEFIサポート)

GPTはUEFI (Unified Extensible Firmware Interface) を前提とした設計で、従来のBIOS/MBR環境よりも**ブートプロセスが高速で信頼性が高い**。UEFI搭載マザーボードを使用している場合は、セキュアブート機能の活用が可能。

4. バックアップ用データ構造の冗長性

GPTではディスク内にパーティションテーブルのバックアップを保持。これにより、ディスクの一部が破損した場合でもデータ回復の可能性が向上する。一方MBR形式は、パーティションテーブルは1ヶ所のみに保存されるため、破損リスクが比較的高い。

5. 新しい技術と互換性が高い

GPT形式は最新のテクノロジーやディスクフォーマットと互換性がある様に設計されている。たとえば、SSDやNVMeの大容量ストレージや新しいファイルシステム(ReFSなど)との組み合わせにより、パフォーマンスを最大化できます。

それにも関わらず次の様な理由で、つい最近まで導入が遅れていた。

1.古めのマザーボードのBIOSのデフォルト設定が、つい最近まで、CSM 有効、UEFI無効の32bit 用だった
2.32bit用設定のBIOS で、MBRパーティション形式でも、64bit版Windos をインストール出来て正常起動する

そしてこの様な背景で MBRパーティション形式のCドライブからブートする、64bit版 Windowsが増殖して来たと知った。なぜかというと自分自身がそれを実行して来たからである。ということでここのところは、Windows 10からWindows 11に移行 させるために、せっせとTPMを増設させて、MBR2GPT.EXE を使って、パーティション形式を変換している。

中にはわざわざ MBR 形式でフォーマットしてから Windows 11をインストールしていたPCもあったわけだが、それも MBR2GPT でGPTに移行させた。それで気付いたのだが前述のメリット3番ブートの信頼性向上と、4番 バックアップ用データ構造の冗長性が、実はかなり有効ではないかということである。

具体的な統計データは無いが、SSDとCドライブのパーティション形式がGPTの Windows 11の利用により、かなりディスクやファイルシステム関連のトラブルが無くなった様に感じる。
これまでは古いバックアップツールの互換性問題があり、極力MBRパーティション形式を温存して来たわけだが、この信頼性向上の利点は大きいのではないかと感じている。