Windows 自作PC
他人にはあまり話をしたことが無い趣味がある。趣味といってもかなり仕事に関係しているのだが、自分の嗜好に依る部分が多いのと、それ自体では決して利益を生まないのでやはり趣味である。自作PC組み立てである。自作といっても部品を購入して組み合わせて電源を入れて、OSをインストールするだけである。それだけの事だが、新しく組み合わせた環境で見事にWindowsが立ち上がると、いつも嬉しくなる。
初めて組んだPC-AT互換機のCPUは80386SXで、まだ80486が登場する前だった。おそらく1988年頃だったと思う。会社でこれからのデジタル複合機のフロントエンドははPC互換機だと試作を始めた人がいて、CPU付マザーボードと電源と他の部品を部内の開発者に配って、PC-AT互換機活用と自作の啓蒙活動を始めた。Microsoft Windows At Work が1993年なので、5年ぐらい早かった。残念ながら製品化はならなかった。個人的にはその後PC AT互換機組み立てに詳しい友人達が出来、また秋葉原や香港で毎年の様にマザーボードを買い漁っては組み立てた。秋葉原では当初、グロリアシステムズ、ロビン電子、ぷらっとホーム、若松通商ぐらいでしかPC互換機用の部品は入手できなかった。最初に買った自作用の486マシンは専門店のグロリアシステムズだった。他の店は他の部品販売との兼業で、PC互換機専門店というわけでは無く、妙にPC-ATに詳しいグロリアの親父さんには信頼があった。プロサイドが互換機ビジネスを始めるかなり前の事だ。香港は当時新婚旅行以降、夫婦で毎年の様にバケーションで出かけた。自分の目的はPC一筋で、5か所の電脳街は庭の様に詳しくなった。香港で最初に、慎重に選んで買ったマザーボードは、高登電脳市場に丸二日通って数十種の中から選び抜いたものだ。当時ほぼ全てがメーカー名を隠しての販売だったが、その選び抜いて入手した虹色のマークの外箱のVLB 3スロットの高機能マザーボードは、後のASUSTEK社の製品だったと判明した。これを買った店の店員は、後に雑誌Super ASCIIの取材にも載った青年で、仲良くなり何回か双方を往来して仲良くなった。
OSもMS-DOSから始まってWindows 3.1、Windows 95、98へと進化した。台数が増える自作機用のOS調達は大変なので、この頃から毎年 MSDN Developer Network(現在のVisual Studio Professional with MSDN)を購入し始めて、毎年大量の CD-ROM が送られて来た。各種UnixやLinuxも試した。
マザーボードとCPUを一番多く買ったのは、Socket 5からSocket 370の頃だったと思う。この頃 33MHz程度の動作だった自作用CPUは、あっという間に30倍の1GHzを超えた。毎年の様にCPUとマザーボードを買っては組み立て、組み換えをした。ざっと数えて、今まで100台ぐらいのマザーボードを購入し、300回以上は組み替えをしていると思う。今でも10台近くのノートPCやタブレットのほかに、40台程度の自作デスクトップPCや実験サーバーマシンが現役動作中だ。なぜこれほど多いかというと、ドライバー開発という仕事には、多種多様なPCが沢山あると様々な面で便利だからだ。
今でも2~3年に1回程度は新規組み立てをしている。組み換えはもっと多い。互換機組立てには波というかブームがある。良いと感じたCPUやマザーボードは同種を複数購入する。486の頃、最大3台同じマザーボードを購入したことがある。コンスタントに同じペースで調達と組み立てをするのではなく、ここぞという山場が来たときに盛り上がる訳だ。そして今、Alder Lake と 第3世代 Ryzen でその山が来たと思う。ここまでが前置きである。
久しぶりのトラブル
去年4月に待望のRyzen 5000Gシリーズが発売開始になった。2020年末頃から噂になっていた第3世代 Ryzen APUである。8月には写真の Ryzen 5 5600GとASUS PRIME B550M-A で早速一式新規に揃えて組んだ。直ぐに問題無く動作した。おりしも Windows 11 Preview が公開され、すでに数種の環境で評価していたが、このマシンは妻用のマシンとなる予定で、またWindows 11のGUI使い勝手変更が安定していなかったため、当分はWindows 10での運用とした。
そして妻用マシンの快調動作から3ヶ月後に調達した、同じマザーボードとCPUの組み合わせで問題は起きた。11月から今年初めにかけて2ヶ月以上を棒に振ったので、自戒と注意を含めてレポートしてみる。以下、起きた事を時系列で時間順に記す。
11月18日 ASUS PRIME B550M-A は前回とは別の店(ネットショップ)で購入。CPUも直ぐに買って同一構成の別のセットの準備。
12月5日 仕事のため遅れていた前記の調達セットの組み立てを開始。マザーボードが起動しない。この店の初期不良対応期間は10日。これを過ぎたために、この後1ヶ月以上の期間と面倒な作業を強いられることになった。
12月10日 どう試行錯誤しても今回調達のマザーボードが起動しないため、故障と判断して調達先のネットショップに、問題状況を詳しく連絡。この店は以前、実店舗を何回も利用した事もあり、信用があると思っていた。即日応答があり、代理店のテックウインドに直接問い合わせて修理に出す様にとの返事。早速テックウインドにメールで詳細の状況をメールで連絡。
12月13日 テックウインド株式会社 サポート担当 から申し込み内容確認のメール連絡。
12月13日 テックウインドから申し込みフォームで申し込みをせよとの連絡。すぐに詳細の状況をフォームに記入して連絡。
12月14日 テックウインドから故障内容を確認したため、修理お申し込みフォームで申し込みをせよとの連絡。すぐに詳細の状況をフォームに記入して連絡。
12月15日 テックウインドから一次対応窓口は販売店なので、修理出来ないから販売店に連絡する様にとの連絡。それで再度販売店にこれまでの状況を連絡。またしても問題状況を詳しく販売店に連絡。
12月15日 販売店からボード送付の連絡があり、問題のマザーボードを問題状況を詳しく添付して販売店に送付
12月17日 販売店からマザーボード受領の連絡。
12月28日 販売店から、テックウインドで検査したところ、問題無く動作しているとの連絡。ついでにBIOSを0311から2423に更新したとの事。追加試験をするか、返送するかの問い合わせ。BIOS 0311は Ryzen 5 5600G非対応だが、誰もそこには触れない。個人的には起動しない理由が判明。同じマザーボード、同じCPUで8月に問題無く動作確認済だったので盲点だった。
この後の詳細は、思い出すのも腹立たしいので省略。非常にコストがかかった勉強をさせられた。自作PCの趣味は長いが、久々にひどい目にあった。
1月13日 修理(実体はBIOSアップデート)が完了したマザーボードを受領して、動作確認。
参考:ASUS PRIME B550M-AはCPU不要、メモリ不要でBIOS アップデートができる「USB BIOS Flashback」には非対応。
https://www.asus.com/jp/support/FAQ/1038568/
Windows 11にアップデートさせない方法
いま時のマザーボードは当然 TPM2.0 搭載済だ。一昔前のマザーボードは新しいWindowsが出ると「Windows 7 対応」等と大々的なシールを張ってアピールしていたが、なぜか今は TPM2.0 が重要な搭載機能にもかかわらず、そんな宣伝はしていない様子だ。それで、Old Windows, New Windows! にも書いたが、新規環境にWindows 10を普通に新規インストールすると、そのうち勝手にWindows UpdateでWindows 11にアップデートされる。多数の人が呆然と目の前で行われる Windows 11 へのUpdateを見ていて、後で文句を言う訳だ。個人的には、当分Windows 11で使用しない様にするための間違い無い対策は、セキュアブート無効であり、MBRパーティションだと確信している。勝手にビットロッカーされる危険も減ると思うが、いかがだろうか。
- Atomu Hidakaさんのブログ
- ログインしてコメントを投稿